CM400Tのキャブレターを再度点検し、加速の悪さと燃費の悪化の原因を探りました。
昨年秋にセミレストアが完了したCM400Tをユーザー車検場に自走してきた際に、加速がぎこちなく、燃費もセミレストア前の半分くらいに落ち込んでしまっていたため、キャブレターが原因だと考え、今回再度キャブレターを点検してみました。
上記画像は前回キャブレターをオーバーホールした時のものです。今回は車体からキャブレターを取り外していません。実は以前、初めてキャブレターをオーバーホールした際、同じように燃費が大幅に悪くなったことがあり、そのときの原因はキャブレター組み付け時にジェット類の番手を間違えていたことが原因でした。今回ももしかしたら同じミスを犯しているのではないかと思い、まずはジェット類が正しく装着されているか確認することにしました。なお、ジェット類は車体からキャブレターを取り外さなくても確認できます。画像の左が側の真鍮部品がプライマリーメインジェットで右側の真鍮部品がセコンダリーメインジェットといいます。CM400T(ホーク2)のキャブレターはセコンダリーメインジェットが付いているところの奥に、ニードルジェットが収まっています。
では実際にキャブレターを開けていきます。キャブレターの下側の皿を外せばジェット類にアクセスできるため、3箇所のプラスビスをラチェット式ドライバーで外していきます。狭いので、こういった先端が短い工具を使いました。
皿を外したらジェット類や浮き袋(フロート)が見えます。
疑っていたジェット類を外すと・・・やはりプライマリーメインジェットとセコンダリーメインジェットの番手を逆に取り付けていました。CM400T(ホーク2系)のキャブレターはセコンダリー(2番目)メインジェットという名前の方に、番手が大きいジェットを付けるのが正解のようで、一見プライマリー(1番目の意味)メインジェットの方が大きいジェット類をつけるような感じがするので・・・。何度も確認したつもりでも先入観で間違ってしまいました。ただ、これで恐らくの燃費悪化や加速のもたつきも解消されると思います。
次にせっかくなので、油面調整というものをやってみました。サービスマニュアルでは油面は合わせ位置から15.5mm(上の画像では、皿の合わせ目から下に15.5mm)と書いてありましたので、それにあわせることにしました。
キャブレター下部のガソリン排出口にホースをつけて、実際の油面を目で見て確認しました。すると左側は油面が約10mmでした。(後にこの測定方法で15・5mmに合わせる方法は誤りかもしれないと気づきます)
⇒後日やはり不調(燃調が薄く、熱だれを起こしてエンストしました)となりました。7月:改めて調整し直しました。
15・5mmに近づけるため、フロートの付け根部分の三角形のバルブを押し上げる部分の金具をマイナスドライバーで曲げて、バルブの押し上げの角度を開き気味にしました。
この作業を何度も何度も繰り返しましたが、なかなかサービスマニュアルにある15.5mmに合いません。合わせようとするとバルブが閉まってしまい、ガソリンが流れなくなるのです。これはもしかしたら、サービスマニュアルで記載されている15.5mmの油面とは実際の油面ではなく合わせ面からフロート下部分までの距離のことなのかも知れませんね。実際、初めは左の実油面が10ミリで右が7ミリだったにもかかわらず問題なく走っていたので・・・サービスマニュアルを見てもよくわかりません。
結局最後はホースを使った実油面測定方法で左右とも11.5ミリに合わせておきました。バイクが完成したら実際に長距離を走って不都合があればその都度調整することにします。